タイムオブアソウルは、プレイ時間30時間を越える長編大作RPGです。
個人的にはこの作品を、王道ファンタジーRPGの塊と評したいです。
あらゆる点で王道的で、誤解を招く言い方をするならば普通のRPGです。
ただ、普通に完成された普通のRPGがいかに稀有な作品で、いかに面白い作品かを教えてくれるゲームです。
『タイムオブアソウル』公式ページ
【ストーリー、キャラクター】
山奥に一人住んでいた薬師のレナは、家の近くで一人の意識を失っていた少年を見つけ、看護する。
彼には記憶が無く、レナによってリュートという名前を与えられて家族として一緒に過ごすことになる。
2人は薬師の仕事をしているうちにとある事件に巻き込まれ、
色々あってリュートの記憶を取り戻すための旅を始めるのであった。
純がつくほどの、いまどき珍しい剣と魔法の王道ファンタジーRPGの世界観です。
ストーリーも正統派で安心してプレイできます。
本作には主人公格の人物が複数名いますが、
その中でも特にゲーム開始時から一緒にいるレナとリュートの関係が魅力的。
一人で寂しく暮らしていたレナにとってリュートは唯一の家族で弟のような存在で、とにかく過保護。
実際にはリュートはとてもしっかり者で何故か非常に強く、レナを守るための主人公として動いていきます。
他にも数々の仲間たちが道中で加わっていきます。
また、パーティメンバーにつれている仲間とはいつでも会話が可能で、
モノを調べたり村人と話しただけで会話内容が次々と変わっていきます。
最近のドラクエシリーズによくあるシステムですが、本家に負けないくらいに会話内容が豊富です。
村人に話しかけては仲間に話しかけ…とやっているだけでとても楽しく、仲間たちの個性も味わえます。
【バトル】
戦闘はオーソドックスさを残しながらも色々な角度から味付けをされており、
飽きにくく戦略性が生まれるシステムとなっています。
まず視覚的な面として、パーティメンバーの顔グラフィックが表示されること。
これだけならありがちですが、状態異常時、瀕死時、回避時、ミス時、そして大切な人が倒れた際の怒りの表情と、差分がとても多いのが特徴です。
本当に顔がころころと変わるので見ているだけで楽しいです。
戦闘システムとしてもっとも特徴的なのは属性の付加。
属性を持ったスキルを行うとその属性が敵や味方に付加され、
その状態だと条件を満たせば次に行うスキルが別の技となり強化されます。
例えば、魔法使いでメラを撃ったあと、その敵に向けて勇者がヒャドを撃つとメドローアになる、みたいな。
このシステムによりパーティメンバーの構成・連携を考えられるような作りになっており、
結構人によってパーティが違ってきたりするのではないでしょうか。
戦闘バランスは、おそらくやや難しめ。
というより、たぶんパーティによって難易度が激変するかと思われます。
また、序盤において全体状態異常攻撃が、後半では敵がかなり固めになるのが厄介で、
ゲーム全体を通して楽に突破できるという箇所は少ないかと思います。
しかし一度やぶれたあとに戦略を見直すとあっさり突破できてしまったりもするので、
なかなか優れたバランスになっているとも言えます。
【総評】
同じ表現を繰り返しますが、とにかく王道的な長編ファンタジーRPG。
こういうジャンルが好きならばプレイして損はない名作です。
特にフリゲのRPGが好きな人ならプレイしない手はないかと思います。