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『月夜に響くノクターン Rebirth』 公式ページ



永劫の夜の闇を生きるもの、吸血鬼。
彼等にとってはヒトの命など何の事はない。そこ等に転がってる石ころと同じ。
なんのためらいもなく蹴飛ばせる存在である。

一人の女が、森の中を走っていた。
後ろには、女を追っているであろう賊が三人。
そこへ通りかかった黒衣の男が、襲い掛かってきた賊をあっさりと一蹴した。
助けられたと思った女は男にお礼がしたいと言い、村まで来て欲しいという。
……ヒトの顔をした悪魔は嗤う。
獲物は、多い方がいい……。

(公式サイトより)



フリゲRPGの最高傑作のひとつ

これをプレイせずしてフリゲRPGは語れません。




月夜に響くノクターン Rebirth』は、何年も前に公開されたツクール2000製のゲーム、
『月夜に響くノクターン』をツクールXPでリメイクした作品です。
(当時から原作をプレイしていたので、
このリメイク作品の存在を知った時は衝撃でした)

元々ハイレベルな作品でしたが、『Rebirth』になって
RPGにとって必要な要素が全て大幅にレベルアップしました。

すなわち、戦闘の面白さ、グラフィック、BGM、ストーリーや世界観、操作性。
どれをとっても文句のつけられない完成度を誇っています。



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主人公は、吸血鬼と言われるレヴィエル。
全属性の魔術、そしてそれらを活かした二刀流の剣技を使いこなし、
更に彼特有の邪眼によって相手の精神すら支配するという、
厨二という言葉を擬人化したような存在です

いわゆる俺TUEEEEEEEEEEEEEE主人公ですが、
設定的にもRPG的にもバランスは破綻しておらず、
主人公だけあってストーリーも戦闘も面白みを増してくれる人物です。



その戦闘システムは、行動ゲージが満タンになると行動できるという、
FF5などでお馴染みのものになっています。

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ただしこの作品では行動ゲージが敵、味方ともに常時表示されており、
互いの行動順を考慮した戦略を立てることができます。
相手のタメ技をキャンセルできる技、行動ゲージを減らす技などもあり、
相手の様子を見て技を使いわける必要も出てきます。

また、回復アイテムの種類が少なく、回復量も少々頼りない上に、
それぞれ9個までしか持てない
というのも大きな特徴と言えます。
魔術による回復手段もそれほど多くはなく、
最近のRPGでは当たり前になっている『便利すぎる回復手段』がほぼありません。
必然的にボス戦の難易度はかなりシビアなものとなっております。

このバランスに共感できるかできないかで、
この作品に対する評価は大きく変わるでしょう。

俺は前者でした。

ドット絵のレベルもただでさえ高いのに、
戦闘中に常に滑らかに動き回るのがまた素晴らしいポイントです。

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一方で戦闘システム面以外での最大の特色は、『ブレイブクリア』というシステムです。

このゲームではストーリーがいくつかの章に分けられています。
章にはそれぞれブレイブクリアを達成するためのレベルが設定されており、
それ以下のレベルで章をクリアすると貴重なアイテムを貰うことができます。

これと切っても切れない関係にあるのが、このゲームでのレベルアップの仕方です。

本作品では敵を倒して得た経験値はレベルアップには使われず、
お金のようにストックされていきます


ストックされた経験値はレヴィエルや他のキャラのスキル習得に使うことができ、
そうして経験値を消費して初めてそのキャラに経験値が与えられ、
レベルアップするのです。

どんなスキルを覚えるかも自由ですし、どんなタイミングでレベルを上げるかも自由、
ということです。

『ブレイブクリア』という割とよくありそうなシステムが、
この独特なレベルアップシステムとかみ合うことで、神懸かったバランスを実現しています。

ブレイブクリアを達成するためには章ボスに低レベルで、
しかも満足にスキルも習得できない状態で勝たねばなりません。
使えなさそうなスキルを習得なんてしていったらすぐにブレイブクリアをオーバーするので、
スキルの取捨選択こそが鍵となります。
そしてそれと同時にこのゲームの醍醐味なのです。



他にも…詳しくは割愛しますが、敵キャラクターを仲間にできる使い魔システム、
ロマサガ2、3のような陣形システムなど、
至れり尽くせりと言えるほど面白いバトル要素が充実しています。

そのため戦闘が好きな方には問答無用でオススメしたい作品ですが、
ストーリーもかなりしっかりしているので読み物としても楽しめます。

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まぁつまり、RPGが好きならやっとけ、ということです。
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