誇りと
敵と
未知と
夢が合わされば
戦争となる
『グレイメルカ』公式ページ
『グレイメルカ』は、ファイアーエムブレムによく似た王道的なシステムのSRPGです。
ひと言で言ってしまえば、ストーリーもゲーム性もかなりレベルの高い作品。
ボリュームもたーっぷり。
1年に1本出るか出ないかといったレベルの名作かもしれません。
【ストーリー】
世界に存在する9つの国々のひとつ、フバーライン。
その出身の二人、クナタとカタリは世界一の大国であるロマテアに向けて旅立ちます。
理由はひとつ、ロマテアの手にかかり、『グレイメルカ』によって、
全てを滅茶苦茶にされてしまったフバーラインの無念を晴らすために…。
というのがあらすじですが、ストーリーはここから思わぬ方向に転び続けていきます。
詳しくは書けないのですが、9つの国々がそれぞれの思いと誇りと事情を抱えて死闘を繰り広げる様を描いた長編となっています。
二転三転するストーリーはまさしく目まぐるしく移り変わる歴史そのものであり、
「この先を見たい」と思わせる、ゲームに熱中する上でとても大切な要素が凝縮されています。
まあ簡単に言うと、ストーリーがめっちゃ熱くて面白いです。
登場人物も非常に多く、かつ、その誰もが印象的。
必ずしも個性的ではないのですが、
作中のシーンの会話シーンだけでもその人物がどのように思い、考え、動いているのか、
そういう描写がとても丁寧なのです。
テキストや全体的な構成がとても上手い、と言い換えてもいいです。
後述するようにイージーモードも存在しているため、
ただストーリーを見たいというだけの方にも非常におすすめできます。
『グレイメルカ』がタイトルとなっている理由が分かった時、このゲームは忘れられない作品になるでしょう。
【ゲーム性】
ストーリーは最高、ならばゲーム性はどうかと言うと、やはりこれまたハイレベル。
基本的には分かりやすいSRPGで、武器に使用回数制限があるタイプになっています。
戦闘システムとしては、実はそれ以上語るべきところはありません。
でも面白いのです。
それはバランスが良いとか、テンポがいいとか、緊張感があるとか、操作可能キャラが凄く多いとか、
ひと言では説明しきれない色んな、そしてゲームにとって大切な要素が綺麗に合成された結果の面白さです。
つまり、普通に非常によく出来ていて、普通に非常に面白い。
強いて言うならゲーム性とストーリーがかなり密接な関係を持っていることが、
この作品をこの作品たらしめているところがあります。
例えば作中、死を恐れず立ち向かい続ける軍団が出てきます。
その軍団はストーリーでのそういう設定がゲーム性に反映されており、
軍団の全員が、死に近づくほど(HPが減るほど)強くなるのです。
逆にゲーム上でのステータスから、ああ、こいつらはこういう奴なんだな、と想像を膨らませることも出来、
そういう点ではやはりストーリーの素晴らしさがこの作品の根幹になっているのかもしれません。
けれど、それだけに結構難易度はシビアです。
ストーリーだけを追いたい場合、イージーモードという手もあります。
とは言え熾烈な戦闘を乗り越える一体感というのも大事なので、やはりできることなら自力で突破したいところかもしれません。
【その他】
BGMやグラフィックは、全て本作オリジナルの自作。
フリーゲームというと他で聞いたことのある音楽や見たことのある画像があるのが人によっては気になるところかもしれませんが、
この作品ではそういう心配すら要りません。
BGMもグラフィックもかなりよく出来ていて、ゲームを盛り上げてくれます。
とにかく本当に面白いゲームなのでぜひやってみてください。
Ver0.9となっていますが、本編は最後まで遊べます(追加要素はおまけ的な要素らしいです)。
記事続きのところに「これだけは気をつけておけ!」と思ったことを書いておきます。
そういう事前情報には目を通したくない男気溢れるプレイヤーは、この先は読まないようにしてください。
注意点
支援効果など、ゲーム中には深く説明されない要素があります。
慣れてきた頃にでも、必ずReadMeを読んでおくこと!
レベルアップ時の成長はノーマルモードだとある程度ランダム要素があります。
つまり…
戦闘中に死亡したキャラは、戦闘に参加できなくなる。
(ストーリーから除外されるわけではないが、要注意)
自分の場合、これに気づかずに重要キャラが最初から最後まで抜けてました…。
ゲーム序盤終了あたりから、輸送隊を使えるようになります。
これは要は戦闘中にアイテムを倉庫から引き出して交換できるシステムで、
基本的には主人公及びそれに隣接するキャラのみ使えます。