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インターネットがない時代というのを、僕らは知らない。
僕らの前には生まれた時からネットがあって、
世界というのは当然のように「繋がっている」ものだった。

QWERT配列に疑問を覚えたこともない。
マウス操作に戸惑った経験だってない。
インターネットもSNSも、僕らにとっては電話よりずっと身近だった。

世界は常時繋がっている。
世界は常に開けている。

プリズムに染まるネットの海で、
だから彼らは空を睨んでこう告げた。

― 俺たちは、”ハッカー”だ ―


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『CyberRebeat』公式ページ



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『CyberRebeat』は、選択肢の無いノベルゲームです。

インターネットというものがこの世界に常識として存在する裏側で暗躍する、
ハッカーというものについて最初から最後まで触れられていくストーリーになっています。

主人公は「危ない」仕事ばかりしているヒロと呼ばれる男性ですが、
ハッカー狩りと呼ばれる女性、ミサと出会うことでハッキングの世界に入ることになります。

このゲームは序盤から非常に「謎」が多く、まず主人公の経歴の時点で何も明かされません。
敵が誰なのか。それどころか味方が誰なのかあやふやな状態です。
読み進めるごとに様々な視点から物語が描写され、解き明かされていくという引き込む構成になっています。



この物語の最大の魅力は、前述した通り一貫して「ハッキングとは何か」について焦点を合わせ続けている点。

ただしあまりにもそれを重視しすぎていて、専門用語が解説無しで踊り狂いまくり
それは物語後半になるほど顕著になります。
また、場面や時代の転換がかなり急で、ストーリーが現在どうなっているのか把握しにくい点もあります。
加えて、序盤の主人公や一部の登場人物など、気になる方は非常〜に気になるかと思われます。
更に、「結局、アレはどうしたの?」という疑問がとまらないほど肝心な描写が抜けている場面も散見されます。

基本的な文章はとても読みやすいのに、構成のせいで読みにくくなっているのが少々残念なところです。

ですが、ある種のアンダーグラウンドを描き続ける独特な雰囲気が、
プレイ時間を10時間は優に越えるボリュームと相まって、ぐいぐいと引き込んでくるのです。

正直万人向けとは言いがたい作品なので、
少しプレイしてみて、自分に合いそうかどうか判断するのが無難かと思われます。
もし合ったら、とても素晴らしい作品になると思います。

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